それゆけ!遅めの戦車道!!V 塗装編

 組み立て編に続いて塗装編であります。


 今回はアクリル塗料の筆塗りでなるべく楽に塗装しよう、というのがテーマ。

 ちょこっと水加えてビチャビチャ濡ればムラなくキレイに仕上がる!ということなので早速試してみました。

 底部で実験。
 アクリルのオリーブドラブを2回ほど塗り重ねてみましたが確かに思ったよりキレイに色が乗るという印象です。
 希釈なしや溶剤で希釈した時よりもノビがいいですね。
 
 カラーモジュレーションというか上部に行くにつれて明るい色を…と思って塗り分けてみたんですがこれが失敗。
 最初はキレイに塗れたんですが、水割りである程度ダラッと流れることでムラなく塗れる…というアレの弊害で結構下に垂れちゃうんですよね。
 それをリタッチしようとして暗い色を調色し直したら色が合わず変な感じに…という有様です。
 多めに調色してビンに入れておけ、ということですね。

 車体上部がちょっとアレにはなりましたがこれもこれで味ということでそのままにしておきました。
それにしても足まわりパーツは筆だと塗りにくいですね…ロコ組みしたとはいえ転輪の隙間とかはかなり厳しいものがあります。


 基本色に続いて転輪ゴムをジャーマングレー、履帯などを黒鉄色、それぞれおアクリルで塗装しました。

 この写真でも分かる通り転輪裏はなかなか筆が届きません…パーツ色が明るいだけに目立ちますね。
 今回は筆塗りオンリーというアレではありますが、下地色や色付きサフをスプレーで吹いとけばよかったかなぁとちょっと後悔。

 OVMもアクリルで塗っとこうかと思ったんですがゴッソリ下地色が禿げてビビッて中止。
 溶剤でなく水で希釈してるとはいえ塗料自体にも溶剤が含まれてるわけで、
 それを筆でグイグイ塗りたくったらやはり下地に影響出ますわなぁ。
 普段はエアブラシでアクリルを重ねてるのであまり気にしたことはなかったんですが、
 筆塗りでのアクリル重ねはちょっと怖いですね。


 OVMはエナメル塗料で塗装。

 木部の表現はいつものようにフラットフレッシュ→薄めたレッドブラウン+クリアーオレンジです。
 ちなみにこの時点でスコップなど一部のOVMが行方不明になりました。
 パーツの管理はしっかりやらんとイカンですね…。


 続いてデカール

 白いはずのデカールが微妙に黄ばんでるのは仕様なのか経年劣化なのか…まぁ'94のプラモなんで多少はアレしてる可能性はありますけども。
 水につけてからの剥がれが悪かったり粘着力もイマイチだったりかなり苦戦しましたが何とか貼り付け。

 なんか塗装が一部変色してるんですが…アクリル塗料ってマークセッターやソフターの影響受けるんでしょうか。


 お次はクリアー吹き。

 水性トップコートの缶スプレーを吹きました。
 エアブラシに比べてかなりドバっと出てしまうので厚ぼったいなぁという感じですが、まぁこれはこれで。
 アクリル筆塗りのつや消しっぽい塗面からつや有りになったことで全体的に色の暗さが目立つようになりました。
 最終的にまたつや消しにするから多少明るくなるとは思いますが、ちょっと基本塗装暗くしすぎたかもしれません。
 スミ入れなどで暗い色を置いてメリハリをつけていくのに元が暗いというのはやりづらいんですよね…うーん。


 アクリル塗料でデカールちぎれた部分の修正やキズ表現をちょこちょこやっときました。

 デザインナイフで切り傷付けるとキズ表現がそれっぽくなるそうですが、今回はお手軽さ重視ということで。


 履帯についた土の表現としてアクリルのレッドブラウン+フラットアースを溶剤で薄めて軽く塗布。

 今回は最終的にかなり豪快に汚してしまったのでこれはあまり意味がなかった気もします(笑)。


 スミ入れはフラットブラック・レッドブラウンを混ぜてウォッシング気味に塗りたくりました。

 車体の方は写真撮り忘れてますが、雨だれ表現とかかなり意識して汚してみました。
 …が、元の色が暗すぎたために最後つや消し吹いた状態だとそこまで目立ってなかったりします。
 色のメリハリってホント大事ですね。


 ここで足まわりパーツやOVMを接着。
 
 ワイヤーがへし折れたり瞬着使ったら白化したりと色々トラブルが発生しましたが、リタッチしたり弾痕っぽくしてみたりしてごまかしました。
 こういうのをアレすると接着後塗装の方が気が楽かも…と思うんですが、一長一短ですねぇ。


 ドライブラシはしつこくない程度を心がけて全体にササッとかけました。
 
 基本色・スミ入れと暗い方暗い方に傾いていたので多少なりとも明るさでメリハリ付けられたのは良かったかもです。


 そして今回のキモである筆塗りでの土ボコリ表現。
 エナメルだとスミ入れドライブラシに影響するのでアクリル塗料を選択したんですが、
 筆塗りで下地が剥がれる恐怖を味わったばかりなので若干及び腰。
 あれこれ考えた末、溶剤ではなく水性クリアーで色を薄めて筆塗りすれば透けた感じになるかなぁということでトライ。
 
 写真撮り忘れてこれはつや消しクリアー吹いた後ですね。
 フラットアースやニュートラルグレイ、フラットブラウンなどを混ぜながら段階に分けて塗ったり拭き取ったりしてみたんですが…。
 埃っぽさよりも泥汚れ感が強くなった感じですね…狙いとはだいぶ違っちゃいました(笑)。
 足回りは特に汚しすぎて元の色がかなり消えちゃってます。
 一方でちゃんと汚せてない部分が目立ってしまったりして…筆塗りはホント難しいですわ。


 水性トップコートつや消しを吹いた後、ライトなど光沢のある部分をエナメルで塗装。

 ちっこい部分の塗り分けは拡大鏡が欲しくなりますね。
 ハズキルーペが気になる今日この頃。


 というわけで一応完成であります。
  
 アクリル筆塗りで割と綺麗な塗面ができる、というのはとりあえず納得の行くアレになったと思います。
 …が正直言うほど楽ではなかったですね(笑)。
 重ね塗りやリタッチなどでそれなりに手間かかる上に下がアクリルであるということが最後まで尾を引いたなぁと。
 筆塗りならではの表現や面白さはもちろんあるとは思いますが、お手軽さを求めるならエアブラシかなぁという気はしますね。
 金銭的な面でも今は格安でそれなりのブツが買えますし。


 以前作ったヘッツァーさんとのツーショット。

 今回初めてまともな中戦車を作ってみたんですがやはり大きさがだいぶ違いますね。
 シャーマンでこれだけ差があるんですからティーガーIIとか作ったらもっとアレなんでしょうなぁ。