棚橋は実は凄かった説

 シングルの経験が重要だという話を書きましたが、じゃあシングルの大安売りをしている新日はどうなんだと。
 NOAHと新日との絡みでシングルというと忘れちゃいけないのが棚橋VS力皇戦。ドームを凍りつかせたトペ3連発ミス、文字通りスイシーダだったアレを始めとしてなんか色々空回り。メインへ向けての絶好のトイレタイムとなってある意味役目を果たしたという伝説の試合であります。コレを考えるとシングル経験あっても棚橋ダメじゃん!力皇引っ張って試合作れるようじゃないと…と思ったりもするんですが。
 ですがこれも物は考え様。棚橋はそのキャリアを生かして試合を成立させようと必死に頑張っていたのです。しかしあまりにもリキが塩だった。スイングする試合を作れないことを悟った棚橋は自分を犠牲にしてせめてリキの強さを光らせる試合にしようと考えたのです。試合を見た人達はどう思いましたか?「棚橋へぼすぎ」としか感じなかったでしょう?それこそ彼の狙いだったんです。彼はリキの攻めを果敢に受けて強さを引き立たせると共に、自らのへぼっぷりを目立たせてリキの塩分を消そうとしたんですよ!
 そう考えるとあのトペも納得がいきます。棚橋の目論見ではトペやってもビクともしないリキを見せることでその強さをアレしたかったんでしょう。でもそこら辺よくわかってないリキは受けようとしない。ならば自分が道化になることで空気読めないリキより自分に非難が行くようにすれば…。そこまでして相手を立てようとする棚橋の心意気は素晴らしいですね。仕事を請けたからにはしっかりやろうという責任感か、プロレスへの愛か。
 …まぁ棚橋がトペ失敗するのはコレに限ったことじゃなくてもっと酷いのもあるんですがね…ロープに足かかって墜落したりとか。でもそれはあくまで技量の話。試合運び的なアレは経験積んだ分きっと色々頭働かせてると思うんですよ多分きっと。最近新日が盛り返してきてるらしいってのはそういった積み重ねが実を結んできたってことじゃないでしょうかね。