考察のようなもの

 プロレスはやっぱり凄いけど、怖い! 情報源:プロレス多事争論
 もうメインのことだけに絞って書くわけですが、上記リンクにもあるように三沢が場外パワーボムで脳震盪状態になって以後の動きに支障が出た、というのは無視できない要素で、解説の秋山もフォローに必死だったほど。しかしコレだけでは片付けられないいくつかの要素がアレして今回のメインが大失敗したのもまた事実なので、それを俺なりにまとめてみました。
 まずは王者三沢側。

  • 場外パワーボムで脳震盪を起こした…これはかけた森嶋にも責任はある
  • 肝心なところで技のミスが多かった…花道での変形エメフロ(だと思う)やタイガードライバー'91など。森嶋が重いから?
  • エルボーばかりで単調な攻撃…投げをキッチリ決められないからか、それとも怪我の影響か

 次に森嶋側について。

  • 武道館メインの雰囲気に飲まれた…秋山が再三解説で強調しており、また本人もそうコメントしてるらしい
  • 早めに勝負をかけすぎた…開始早々バックドロップや裏投げを繰り出し、決め技がいつ出るか、という緊迫感↓
  • スタミナ切れ…前半にラッシュかけ過ぎた為か息切れ。時折大技で返すも次が続かなかった

 簡単にまとめるとこんな感じではないでしょうか?どっちがダメダメだったというわけではなくて双方共にマイナスとなるアレがあり、それが重なってああいう試合になってしまった、と俺は考えています。
 しかしここでは敢えて一点に問題を絞って「コレさえなければそれなりの試合になった」と断言してしまいましょう。それはすなわち「モリシ重すぎ」。
 145kgとなればスーパーヘビーもいいところ、かつてのベイダー*1を想像すればわかりやすいでしょう。ベイダーが四天王勢と戦って好試合が出来たのはベイダー自身がただでかいだけのレスラーではなかったというのも事実ですが、要所で相手レスラーがベイダーの重さに打ち勝って投げきる、というシーンがあったというのが大きいと思います。関節技を狙いに行くというアレもありますが、きっちり説得力を持たせないと秋山VSベイダーのGHC戦みたいな微妙な幕切れになってしまいます*2。今回の試合でも、要所できっちり大技を決めていれば大いに盛り上がったんでしょうが…。全盛期ならいざ知らず、今の三沢のパワーではスーパーヘビーをキレイに投げきるのは困難。エルボー連打に頼らざるを得なかったわけで…。多分後20kg森嶋が軽かったらだいぶ違った試合になってたと思います。
 この重さは森嶋側にもネックになります。あの図体でトンでもない動きを見せるのが森嶋の魅力ではあるんですが、やはり今回みたいな展開ではその重さが自身のスタミナを奪うことにつながってしまいます。普段の森嶋はガンガン技を受けてここぞというところで爆発する戦い方を見せ、序盤〜中盤はむしろジックリと攻めていくというスタイル*3なのでそうそうガス欠は起こさないんですが、やはり武道館メインという重圧と「短期決戦で行く」という宣言に縛られすぎたんでしょうね…。
 だからと言ってモリシに「痩せろ」と言うのはちょっと違うわけで、今のままのスタイルで「大一番での勝負度胸」と「ペース乱されても巻き返せるだけのスタミナ」を身につけて欲しいんですよ。今回のアレで反省点はしっかり見えたと思いますので、これをきっかけにしてもう一皮剥けてくれれば…。

*1:モリシ自身もああいうガイジンレスラーを目指してますし

*2:この試合で秋山は一応エクスプロイダーでベイダーを投げてますが、腰を痛めたのか連発できず失速しました

*3:今回の試合を観て「モリシは中盤までの構成がヘタ」と思うのは早計