星の鼓動は愛

 つ〜わけでZ3観に行きます。あらかじめ宣言しときますが、虫の居所が悪いので帰ってきたらネタバレ発言しまくります。自分で観て確かめたい方は…ハッ、知ったこっちゃねえよ。
追記:一言で言えば「最近流行りのありきたりな生命賛歌」、まぁ、あのラストはアレでいいんでねぇの、と。
 まぁ第二部の展開とかはこっちを見てもらうとして…。第三部でもストーリーの基本的な流れはそんなに変わってません。たださすがに第二部で頭撃ち抜かれたフォウはあそこで死んでたらしく今回出番なし。つ〜わけでキリマンジャロに降りることなく、ダカールの演説もなし!ロザミアはロベルト共々仲良く「生死不明」(第二部以降出番ない)。ロザミィって誰?というわけでその辺のエピソードもなし。後は最終決戦後の展開がちょっと違って、カミーユ精神崩壊しません。不思議パワー使ってウェイブライダー突撃までやってのけるんですがその後も正常。新規追加のラストでは宇宙空間でファと乳繰り合って終了。あの絵はF91セルフパロディなのかな?まぁ最後のじゃれ合いでの台詞からも「生きてるっていいよね」ってのが今回のテーマっぽいです。概要はこんな感じ。
 続いて文句というか色々。第二部で声一つで作品をぶち壊したクラッシャー・サラ姫は声変わりして好感度急上昇。元々第二部のみゲスト出演だったのか、ブーイングの嵐で急遽変更になったたのか知りませんが、今回のサラは問題無しです。…これで声の問題は解決、と思いきや今回もいました厄介者。そいつはミネバの中の人(名前忘れた)。こいつの芝居が浮いちゃってるせいで謁見のシーンとか台無し。ミネバが出るたびうんざりしてました。
 新作カットの織り交ぜ方も第二部同様微妙なのが多かったです。戦闘でかっちょいい絵が入って「おおっ」と思った次の瞬間に旧作の絵になって「あ〜あ」ってのが大半。ラストバトルもそうなのはいかがなものかと思いました。突撃シーン旧作画かよ…。唯一光ったのはコロニーレーザー内での攻防。あそこはキャラの絵こそ流用が多かったですが戦闘は新作使いまくり。第一部の戦闘のインパクトに匹敵すると思います。つ〜か前から思ってるんですけど、満遍なくちりばめるよっか一極集中してほしいですね、新作カット。あとは違和感多めのキャラよっかMS戦にもっと割いてほしかったなと思います。新作部分での寸劇に面白いのが結構あるのでそれはそれでよかったんですけど。
 そして音楽。前作ではクラッシャー大暴れと展開の盛り上がらなさによってグダグダになった微妙な空気を救ってくれたGacktですが、今回はダメ。つ〜かアレをOKにした富野が信じられん。…具体的に言うと、CMで流れてるバラード「Love Letter」が最初流れた後(これはイイと思います)、突如曲がロックになるんですよ!大団円の後のスタッフロールで宇宙をバックに!しかもその曲「Dybbuk」がクソ曲なので雰囲気ぶち壊し。余韻に浸ってたのが一気に興醒め。ありゃね〜よ。
 んでもって各キャラについて少々書いときます。カミーユはもうホントに普通の少年どころか物分りよすぎになってしまいました。お陰で発言が尽くなまぬるいというか、TV版の名台詞はほぼ皆無になってます。劇場版のカミーユは「いのちだいじに」という結論に至るので、「ここからいなくなれー!」とか言いません。う〜ん…どうだろ、まぁこれはこれでいい変更なのかもしれませんが。でもこの素直な性格と「TVほど節操無く他の女と絡まなかった」というのがあるのでラストが受け入れやすいというかファ万歳というか。ぶっちゃけフォウ、彼の中では大したポジションにいませんよね(笑)。
 お次はクワトロ。彼は展開上ダカールでの演説という見せ場を失い、同時に自分を「シャア・アズナブル」と認めてエゥーゴの中心となるとかそこら辺の色んな逡巡やら何やらが一切無くなっちゃってます。レコアとの絡みも皆無なので後腐れありません。回を追うごとにキャラ薄くなってませんか?って感じ。MS戦では結構活躍してるのでカッコいいんですが、「ただのカッコいい人」に成り下がってるような…。あとは名台詞を片っ端から剥奪されているのも痛い。富野が狙ってやってるとしか思えないんですけど…。「まだだ!まだ終わらんよ!」にまで手を加えるとは思わなかったです。カミーユほどではないけどキャラの性格設定とか変えてるってことのアピールかなぁ…ハマーン様シロッコの台詞回しはほとんど変わらないだけにそういう意図はあるのかも。
 敵キャラは概ね原作通りの描かれ方(いなくなった人は多いですけど…ゲーツとか)です。ハマーン様シロッコヤザンあたりは出番も多くてほぼ満足。が、ジェリドはすごい凋落ぶり。バイアランで出てきてちょこちょこ戦闘してアポリー撃墜、の後、バウンドドックで出てくるまで出番なし。ついでに出てきたらアッサリやられますし…。バスクの方がはるかに出番多いってのはどうよ(笑)。
 優遇されまくってるというか愛を感じたのはヘンケンとエマのコンビ。新作カットで色んな絡み(コミカルながらも微笑ましいイイ関係)を見せてくれてよかったですね。ラーディッシュの最期はTV版よっかクるものがありました。しかしその煽りを食ったかレコアとエマの対決はアッサリ風味でしたが…。
 個人的に今回のMVPはサエグサですね。ラストの新作部分でいきなり女言葉で喋りだした時には何事かと思ったんですけど、カミーユとファの会話を拾ってそのまま喋ってたことに気づいて笑ってしまいました。激戦を生き残ってホッとした雰囲気で描かれたアーガマ艦橋とあいまって、あそこら辺の描写はイイなと思いました。お陰でベタながらもあの微笑ましい結末をすんなり受け入れられたというのはあります。
 …まぁどうですかね、第二部が酷すぎたっていうのもあって正直期待して無かった割には面白かったと言うべきでしょうか。これには金払う価値はありますよ。個人的には第一部を100点とするなら第二部は30点、第三部は70点ってトコです。