戯言上等

 今日とある本を買いにとあるお店に行ったんですが、そこにいたいかにもな人が盛大に音漏れさせておりました。聴いた感じ恐らくラルクの新曲。「うわあ、似合わねぇ」というのは簡単ですが、ここで興味深いモノを思いだしました。


TMN症候群」
 特殊な刺激がきっかけで特定のアーティストに対し異常執着を示す症候群。初期刺激となるのは一部のジャンルのタイアップ(英語ではtie-in)であり、これを介さない類似アーティスト・音楽には寛容を示さないのが特徴で、"Tie-in-dependent Musical Nutter"(タイアップ依存性音楽狂人)の頭文字をとってTMN症候群と命名された。症状が表に出やすい「表在性」と「非表在性」、症状が慢性不変性ないし進行性である「真性」と症状は一過性で以後は嗜好は正常となる「仮性」とに区分される。
 本症候群のうち特徴的なのが「仮性表在性TMN症候群」であり、これはタイアップ刺激で一時的に興奮状態になり、その後すぐ沈静化するものであるが、正常化した後もそのアーティストへの執着が続いているふりをすることが多いと言われている。これはそのアーティストへの執着を示すことで自分が特殊なジャンルに染まっていないと言うことをアピールするための一種の方便であるとされ、こうした症状を示すものを特に「偽性TMN症候群」として区別することがある。
 タイアップに関する研究は近年数多く行われており、その多くはTMN症候群の発生を裏付けている事からも、アーティストを売り出す上でのタイアップの重要性が再認識されている。一方で風潮を危惧した声もあり、二十世紀後半を代表する歌人大槻ケンヂ氏は「コアなファン 捨てても欲しい タイアップ」と詠い、タイアップに対する複雑な心情を表現している。(民明書房刊:「ヲタク判別マニュアル」より抜粋)



 偽性TMN症候群の症例としては次のようなものが挙げられます。
①27歳男性。自称ラルクファン。持ち歌は「Blurry eyes」や「Driver's High」、「READY STEADY GO」などで、アルバム曲はフォローしていない。「最近のラルクはダメだよな、SAKURAがいた頃の方がよかった」とか変に知った風な口をきく。
②25歳男性。自称ジャニーズマニア。持ち歌は「LOVE YOU ONLY」「君色思い」「TAKE ME HIGHER」など。最近の曲も知ってはいるが、あまり得意ではない。「昔の方が好きなんだよね」とかごまかす。
③28歳女性。自称ジュディマリファン。「そばかす」以降の曲しか歌えない。ソロになってからの動向はフォローしていない。
 また、昨今出現しているTMN症候群はアジカンやポルノ、ZONEあたりが怪しいです。これらはデビューがタイアップでないことからTMN症候群以外の純粋なファンも多く、あんまり疑ってかかると人間関係のもつれをきたす恐れがあるので要注意。ちなみに俺は真性表在性のTMN症候群患者だったりします(笑)。