う〜ん

 白鳳勝っちゃいましたね。
 千秋楽結びの一番で1敗同士横綱対決という好カードは期待に応える好勝負だったように相撲素人的には見えました。ヒールとして復帰してきた朝青龍が負けるとこを見に来た多くの客はこのハッピーエンドに満足して帰ったんじゃないでしょうか。今シリーズは興行的に大成功だったと思います。
 ですが…長期的に考えるとどうかなぁ、という部分はあります。朝青龍は生粋のヒール。数々の問題ある言動に加えて去年のひと悶着、でも憎らしいくらいにツエエ、というプロレス界に欲しいくらい…かどうかはアレとして悪役です。謹慎明けでもふてぶてしいほどの強さを見せ付けて観客のヒートを買い、あっさり優勝を勝ち取って「今度こそこいつが負けるとこ見てー!」と次期シリーズの集客に貢献するのがあるべき姿。逆に白鵬はベビーフェイスとして暴君に挑むものの敗れ、来場所で雪辱を誓う!という流れが理想的だったでしょう。
 しかし現実はさにあらず。絶対的ヒール朝青龍は早々に1敗を喫し、白鳳を追いかける立場になってしまいます。復帰したてということもあって調子もイマイチ。圧倒的な強さは鳴りを潜めちゃってました。一方の白鵬は途中土はついたものの危なげない相撲を展開。もう流れはベビーの若き横綱対悪逆チャンピオンというアレではなく、復帰早々強豪王者に挑むことになったエース、という構図。そう、典型的ベビーの復帰ロードになっちゃったわけです。しかも千秋楽では激戦の末敗北。何このカッコイイ復帰ぶり!というアレです。頭抱えたくなるほどに。
 もうこうなったら去年のアレコレとか全て忘れて朝青龍ベビー路線で行ったほうがいいじゃないでしょうか?相撲のスタイル的には真っ向一直線で素人目に感情移入しやすいってアレもありますし…。とはいえ観客の反応見るとこいつをベビーで押し出すのはやっぱ無理無理なわけで…。次期シリーズ以降どうなっていくのかしら。まぁどういう路線で行くにしろ朝青龍が劇的に復活して鬼神の如き強さを見せないことには盛り上がらんでしょうね。