シングルだコラ

 小橋建太祭り見て思った。やっぱNOAHにはシングル足りない、圧倒的に。
 全日時代の戦績とかが時折紹介されてたけど、小橋のシングル経験は今のNOAHの若手〜中堅に比べてダンチ。同年代で切磋琢磨するのは無論のこと、トップ外人とも若い頃からかなりの回数当たっている。三沢や秋山とのシングルは10ウン回。NOAHになってから7年で三沢とは1回、秋山とは3回。欠場が長いことを差し引いても割合的にかなり少ないことは否めない。しかもこれはまだ多い方で、小橋クラスはタイトルマッチやメイン級カードでシングルやる機会は多いのだが、トップ戦線に絡んでない選手はその回数がさらに激減するのだ。試練の○番勝負やってもらえなかった選手なんてこれまで何回シングルやったんだろ…という感じだろう。
 全日時代はあすなろ杯といったトーナメント以外でも前座で若手がベテランにシングルで揉まれまくったもの。そうやってシングルの経験を積んで試合運びを学んでいったのだ。そしてトップ選手やガイジンともぶつかってさらに経験を積み、タイトルマッチやチャンピオンカーニバルに出られればその成果を十分に発揮できたのである。
 しかしNOAHになって三沢はシングル連戦による選手の疲弊を心配してかシングルのカードを極端に組まなくなった。これは選手の消耗を抑えると共にトップどころのシングルを貴重な黄金カードとして価値を高めることにはつながった。しかしキャリアを積んだ選手はともかく若手にとってはシングル経験を積む機会が大幅に減少し、せっかくのチャンスを得てタイトルに挑戦…という流れになっても試合が不完全燃焼、という結果に終わることが多く見られるようになってしまったのである。
 選手の実力が拮抗していて入れかわりたちかわりタイトルに挑戦できたジュニアの面子はまだいい。問題はヘビーである。GHCに挑戦するほどのレベルに達しない若手・中堅はもろにその影響をこうむった。それを解決すべく白GHCだの他団体のベルトだのを持ってきたりしたが、それでも十分ではなかった。タッグでは早くから結果を出しながらもシングルでは長く結果を出せず、ROHのベルト獲ってから防衛戦やりまくってシングル経験積みまくり一気に覚醒した森嶋のことや、勢いでGHC獲ったものの内容が伴わず酷評されまくりだった力皇が防衛戦をこなしていく中で急成長して行ったことを考えると、シングル経験が如何に大事かということを痛感させられる。特に森嶋はシングルもっとこなしてれば覚醒が2年は早まったんじゃないかと思うと色々悔しい。ガウ*1ももっと伸びたんじゃないかと思うと…。
 そういった問題に首脳部もようやく気づいたのか、最近はGHC挑戦トーナメントだのモーリシャス杯だのやって遅まきながらシングル戦を増やしている。SEM設立の目的の一つにも若手にシングルの機会を増やそうというのがあると思う。タッグはプロレスならではのものでタッグにこそプロレスの面白さがある、という意見もあるが、やはりプロレスはシングルあってこそだ。NOAHの次代を担う若手には是非ガンガン経験を積ませて欲しい。ドラディションにガウ送ったのは大正解。

*1:潮崎の2ちゃんでの愛称の1つ