ミッシェル聴いてみた

 これまたまさしにアレしてもらった「Thee michelle gun elephant」の「Chicken Zombies」を聴いてみました。
 以前一度借りたことがあって、その時の俺にはいまいち魅力がわからんかったんですけど、改めて聴くとこれがなかなか。がなりながらもどこかけだるさを感じさせるボーカル、正調ロックンロールをヘヴィに仕上げた感のあるサウンド、ロック調だろうがポップス調だろうが、スピードチューンだろうがスロー系だろうが愚直なまでにギャンギャン言わすこのスタイルは強烈無比な個性ですね。カッティングがキいた奏法はかなり耳に残ります。歌詞がこれまた散文と言うか「意味ワカンネ〜けどなんかイイ」という代物で、それらが作り出すこの音楽はもはや一つの独立した「セカイ」ですね。
 俺的にイイ感じの曲はわけわからんカッコ良さに溢れるミドルチューンの「ハイ!チャイナ!」、ポップス系メロディに重厚サウンドと意味不明歌詞をつけてロックに仕立てた「マングース」、正統派ロックの「ゲット・アップ・ルーシー」、イントロからメロディックかつハードで何ともアレなボーカルで引っ張る「バードメン」、程よいシャウトと疾走感が気持ちいい「ブロンズ・マスター」ってトコでしょうか。正直人を選ぶバンドだと思いますけど、HR系好きな人にはオススメできますし、この独特の世界観に傾倒する人も多いのではないでしょうか。…って今さら俺が言うまでもないでしょうけど(笑)。
 ではここからちょっと辛口に行きます。何でもかんでもヘヴィに仕上げるのがこのバンドの特徴と書きましたが、それは強烈な個性であると共に時として欠点になります。言ってしまえばボーカルとの相性なんですけど、このボーカルはイイ意味でのけだるさがカッコいいんですが、スローな歌い方になるとそれを通り越してダルダルな感じになります。そこにダルダルなサウンドを加えればこれはこれで倦怠感溢れるステキ音楽が誕生するんですけど、このバンドはそこにも重爆サウンドを叩き込むので違和感が生じるんですよ。「だり〜んだよ俺は」とぼやいてるヤツを無理矢理馬車馬のように働かせているような…というか。これじゃいくらサウンドがヘヴィでもノれません。「ブギー」は曲自体長いこともあって俺的にはちょっと…という代物でしたし、「ロマンティック」はボーカル終わってからの後奏がメインだろ?と言う感じ。…まぁこういうギャップが好きな人もいるとは思いますが。
 もう一つはまぁ良くも悪くも昔ながらのロックと言うか、フレーズが単調なので飽きやすいってことですね。短めの曲が多いので比較的そう感じずに済むんですけど、4分越える「ゲット〜」や3分半の「バードメン」は「…もういいかな」ってなることありますね。救いは演奏で少し変化をつけてるトコでしょうか。伴奏より歌ありき、って人にはクドく感じる部分だと思います。
 辛口批評で文句言われそうですけど、これも高水準での注文って言うヤツです。ギターをはじめとしてバンドの演奏力はスゲェと思いますし、このヘヴィサウンドは俺好みですね。まぁ、「好きか嫌いか?」って聞かれたら今の時点では「これはこれでカッコいいよね」と言う逃げ方しますね。ただこのバンド、中毒性高そうなのでずっと聴いてるとハマるかもしれません(笑)。