巨星落つ

 作曲家・伊福部昭さんが死去…「ゴジラ」など手掛ける 情報源:Yahoo!ニュース
 …ここ数年偉大な御仁の訃報が多すぎます。正直スゲェショックです。謹んでご冥福をお祈りいたします。
 ガキンチョの頃「ゴジラ('84年版)」を観に行って衝撃を受けて以来、ゴジラ映画にドップリ漬かった少年時代。ゴジラ音楽は俺の魂のテーマとなりました。最初に心に残った曲は「スーパーXのテーマ」(小六禮次郎)。カドミウム弾の武器にゴジラを追い詰めるこの超兵器の活躍と共に壮大なテーマ曲が記憶に残ってます。続く「ゴジラVSビオランテ」ではすぎやまこういちが音楽を担当。ゴジラの熱線を1万倍にして跳ね返すファイヤーミラー搭載を搭載したスーパーX2は個人的に期待はずれでしたが、曲はすぎやま氏らしい勇壮な音楽でこれまたよかったと思います。
 そんな経緯でゴジラにハマっていった俺なので、当初「伊福部昭」という名前は知らんかったんですが、旧作ゴジラをビデオで観賞し、また「ゴジラVSキングギドラ」から伊福部さんが音楽担当に復帰したことで「伊福部節」に触れるようになりました。「怪獣映画の曲はかくあるべき」と言わんばかりの重厚感、カッコ良さ、壮大さに惚れました。前に挙げたニ作の曲も素晴らしいんですが、やはり「ゴジラ」というイメージをこれほどまでに具現化している、という点では伊福部氏に並ぶものはないと思います。
 それから数年後、格闘技界に新たな企画が立ち上がり、TVで頻繁に試合が放送されるようになりました。ふとしたきっかけで見るようになったその大会には一人のバカがいました。パワーがダンチな外人選手相手に技で対抗しようとせず、正面から挑んでは倒され、それでも諦めずに這い上がって無様な姿を晒していたバカ。その姿はゴジラに必死になって挑みながらも容赦なく踏み潰されていった自衛隊の様でした。そのバカが伊福部氏の「怪獣大戦争のテーマ」を入場曲に使っていることを知った時、俺は何となくわかった気がしました。怪獣映画のテーマ曲はまた怪獣に挑む者たちのテーマでもあります。あのバカはゴジラを体現するのではなく、強大な敵にタチムカウ男としてあの曲を選んだんじゃないかと。…そう思えた時から、俺はこのバカ、佐竹雅昭のファンになりました。
 K-1の会場にも幾度となく足を運び、PRIDEに参戦が決まった時は「PRIDEって何?よくわかんね」(当時全日以外あんま見てなかったので、桜庭も名前しか知らんかった)と思いながらも無理矢理友人を誘ってドームに行ったりもしました。マーク・コールマンに秒殺された時は涙しましたが、懲りずに出かけた西武ドームで村上相手に初白星をあげた時には狂喜乱舞しました。あの瞬間だけは俺はプロレスファンじゃなかったですね。…その後小川にリベンジされ、安田に泥試合の末破れ…といいトコなくフェードアウトしていった佐竹ですが、それでもあの入場シーン、あのテーマが流れてる間は心が躍りました。「何かやってくれるかもしれない」という根拠のない期待感、興奮は佐竹自身のファイトスタイルもさることながら、伊福部音楽によるものが大きかったと思います。
 …昔を思い出しながら書き綴っていたら結構長文になってしまいました。ああ、俺は本当に伊福部さんの曲が好きだったんだなぁ…。