ガックシ

 アイマス小説版。表紙が千早ピンで紹介文読んだら千早メインの話らしく、喜び勇んで購入したのですが…黒歴史認定。絵はいいよね。
追記:以下ネタバレ注意。
 全体的に見て「これホントにアイマスプレイした人が書いたの?」って印象を受けました。資料をポンと渡されて「ハイ書きました」といった感じなのでは…と。あとがき読む限りプレイ経験はあるみたいですけど。家族の話とか初恋の人の話、春香・律子・雪歩の会話など、コミュやメール、CDの内容を反映してはいるんですけど、そういった要素だけ拝借して書いた只のアイドルモノって感じですね。主人公が実は…みたいなありがちな設定を加えたためにプロデューサーに感情移入できないし、千早のキャラもなんか変だし、展開はチープだし、ゲームの華であるオーディションはないし…。ナムコさんの方から「敢えてゲームとは違う感じで書いてくれ」とでも言われたかのようなツボの外しっぷりは見事という他ありません。それでつまんないってのは最悪ですけど。
 ファンが望んでいたアイマス小説ってのはゲームの展開をそのままなぞるだけのノベライズとか、千早視点でゲームのエピソードとその間隙を埋めるようなお話だったと思うんですよ。SSサイトとかで見かけるようなアレ。ああいうのは所詮素人だから文章力がなくて萎える、なんてこと言う人いますけど、アイマスへの愛情が欠片ほども感じられない本作はそれ以前の問題だと思います。ファンが望むカタチを完全に裏切ったという意味では「小説版Gガンダム」以来の衝撃かと。あれはあれで独特の味はありましたがね…。
 極端な話、オリジナル要素はいらなかったと思います。主人公はただの新米プロデューサーで、名前なくても良かったくらい。曲だってオリジナル入れるくらいなら「蒼い鳥」使うべきでしょ。
何だよ「さよならエトランゼ」って…。「さよらなエトランジュ」ってゲームが昔あったけど、それをもじったのかと邪推したくなりました。後765プロに複数のプロデューサーがいるのも何となく違和感が…。ゲームの中では一応7プロダクションにプロデューサーは一人、選ばれなかった候補生はデビューしてない、という設定ですしね。ネットで対戦してるのは並行世界のアイドルですから。同キャラ対決がある時点でそう考えないと説明つきませんし。
 そうやってアレコレ考えると漫画版がスゲェ名作に思えてきました。新米プロデューサーとアイドル候補生9人という基本設定はしっかり押さえつつ、ゲームでは語られてない彼女達の横のつながりとか、「9人の中から1人を選ぶ」ということは裏を返せば後8人は選ばれない、という点をしっかり描いてるところとか。オリジナルエピソードばっかですがアイマスとしてのベースが出来てるので「サイドストーリー」として受け入れられるんですよね。さすが柿原優子さん。アイマスしっかりプレイしてる重馬敬を筆頭としてアイマス携帯コンテンツ制作にも携わってる「シナリオ工房月光」の一員なだけあります。つ〜か彼女に書いてもらったほうがよっぽどよかったんじゃないでしょうかね?ファミ通文庫版とは別に角川スニーカー(漫画版はコンプエースで角川系だし)

とかでノベライズしてくれないかなぁ。複数の出版社から同タイトルの原作のノベライズ出すのって最近ではそんな珍しいことじゃないですし。つ〜かお願いします、書いてください…。