伊達さんを越えてゆけ

 ここは野口英世記念会館。これから「心臓震盪を考える―その予防と救命手当」というシンポジウムが開かれるのでわざわざ千駄ケ谷まで来たわけですが、俺の目的は明らかに他の参加者と違うんですよね…。
 心臓震盪とは最近話題になっている「胸部襲撃による心停止(多くは心室細動)」のこと。子供がスポーツ中に胸部に軽い衝撃を受けて死亡する事例が多いので、その予防や発症時の適切な手当について考える、というのが正しいスタンスです。
 ですが、俺の目的は「ハートブレイクショット」なのです。胸部の防御力が低い子供では軽い衝撃でも発症する…ということは、衝撃さえ重ければ大人でも発症させ得るのでは?と考え、必殺技開発のためにここに足を運んだわけです…我ながらロクでもねぇ。
 誤解してもらいたくないのは、別に俺は人を傷つけようとか殺そうなんて思ってないんです。ただ、自分が危険にさらされた時にそれを回避する方法、相手を制する術を少しでも多く知っておきたいという想いがあり、また「どうすれば危険」ということを知れば「どうすれば安全か」ということを知ることにもなる、という考えもあるわけです。何より目の前で人が倒れたりした時に心臓震盪を疑って除細動器を用意できれば助けられるかもしれない、というのもありますしね。脳虚血は5〜6分で不可逆的障害をきたすのでまさに1分1秒を争うわけで、そういった知識はあるに越したことはないですから。
 …とまぁ、最後はもっともらしいこと書いてみましたが、要は好奇心ありきなわけで、不謹慎といわれると返す言葉はないかなぁ(笑)。とりあえずせっかくなのでしっかり拝聴してきます。