UNLIMITED BLADE WORKS

劇場版『Fate/stay night - UNLIMITED BLADE WORKS』公式サイト
 というわけで劇場版見てきました。月曜の10時だというのに混みまくり。小さい映画館ということもありますが、立ち見まで出るとは…。
 映像はさすが劇場版、ハイクオリティな絵で凛ルートの名シーンをしっかり描いてくれていました。アーチャーとの死闘やクライマックスのUBW発動シーンは鳥肌立ちまくり、金払った甲斐があったというものです。
 しかし映画としては正直微妙です。2時間かけてゲームの凛ルートのダイジェストをやっているかのようなツギハギっぷり。序盤数分で教会までのシーンを一気にやってしまうのはメインのストーリーに尺を持たせるため仕方ないと思いますが、そっから先も律儀に凛ルートのイベントの大半をこなしにかかるため駆け足感が半端ないです。それぞれのシーンを振り返ったり感慨にふける暇は皆無で次から次へとイベントラッシュ。それに個々のシーンもサクサク進むので溜めが無く、なんか軽く感じてしまいます。細かい説明とかもすっ飛ばしてるのでそれぞれのシーンがどんな意味を持っていてどれだけ重いのかこのシナリオ知らない人にはサッパリ伝わらないと思います。それとさっき褒めておいてなんですが、アーチャー戦とUBWはもっとじっくりやってほしかったです。詠唱全部やってくれないとかどうよ。あとローアイアスも軽すぎ。
 なのでこの映画でFate初見の人は無論のこと、アニメ版だけ見た人にも正直オススメはできません。ゲームを一通りやってストーリーがしっかり頭に入ってて、足りない演出は脳内でしっかり補完できる人が「あのシーンが動いてるよマジ感動!」ってアレをするための映画ですコレ。正直コレだけ見たら「Fate大したことないじゃんwwwwww」って言われても仕方のない出来ですね。
 どうせ短い尺ならもう他のシーンもばっさり切って、アーチャーと士郎の話だけやりゃよかったんじゃないかと。正義の味方に憧れて、その理想が借り物であったとしても貫き通そうとする愛すべき馬鹿をもっと中軸に据えて、アーチャー戦とラストバトルで1時間使うくらいの豪快さがほしかったです。変に凛ルートを再現しようとして欲張りすぎるくらいなら、このシナリオで魅せるべきところだけガットアレした方がよかったと思います。
 凛ルートと言っておいて何ですが、この映画凛とのイチャイチャほぼ皆無ですね…。18禁要素皆無ですし(PS2版やってないんでわかりませんがあっちと同じ流れなのかしら)。凛と一番スキンシップしてるの慎二な時点で誰得。体育座りで背中合わせシーンはありましたがそれまでの駆け足っぷりが災いして甘い雰囲気ないですし。士郎が凛に懸想してるトコって全く無かったような。むしろセイバーのこと気にかけてね?
 とまぁ文句ばっかでアレですが、これだけは言えます。キャスターに捕まってるセイバーマジ最高。今回のエロインは間違いなくセイバー。