そんな愛はいらない

マリア様がみてるリトルホラーズ (コバルト文庫 こ 7-62) ひびき玲音 集英社 2009-07-01 売り上げランキング : 10 Amazonで詳しく見る by G-Tools

　暴走特急、ブレーキの壊れたダンプカーと呼ばれながらも要所でビシッと締めていたカッコイイ姿ははるか昔。主人公のよくわからない成長ぶりを描くための比較対象としてダメッぷりを強調され、おいしいところはことごとく同僚に持っていかれる厳しい日々。姉妹成立シーンも結局仲間の助けは借りるわイラストは無いわで不遇の一言。それでも三年生になったら、薔薇様になったらしっかり成長してくれる…カッコイイ由乃さんが帰ってくる…！そう考えていた時期が僕にもありました。
　緒雪先生は「ダメな子ほど可愛い」んですね。そうなんですね。そういった意味では実に由乃は愛されてますよ。菜々もきっとそんなダメ面白い由乃が大好きなんでしょうよ。でもコバルト読者にそういった機微がわかるかっていうと厳しくないでしょうか…。某掲示板ではそういったダメさを額面通りにしか受け止められないアホによる由乃叩きが暴れていて、黄薔薇派は胃が痛いのですマジで。それに由乃好きだって普段ダメだけど時々カッコイイところに惚れてる人が少なくないわけで、あんまダメッ娘万歳路線に突き進まれるのはちょっと困ります。作者にはどうか読者層にあったキャラへの愛情に基づいて作品を書いていただきたいです。
追記：忘れてた、新シリーズスタート万歳。「別の形」が釈迦みてのことじゃなくてホントによかった…。