破壊王…

 プロレスラーの橋本真也氏が死去 情報源:スポーツナビ
 友人からメールで教えてもらった時は正直タチの悪い冗談だと思いました。あまりにも橋本真也という男と「死」というものが結びつかなかったからです。でもこうやって報道されているのを見てしまっては、認めなきゃいけませんね…。
 俺にとって橋本真也という男は、それほど思い入れのあるレスラーではありませんでした。長州さんに惚れ込んで新日を観るようになり、後に全日に鞍替え。さらにはK-1・PRIDE派になった挙句ようやくプロレスに戻ってきた俺にとっては「闘魂三銃士」という存在はあまりピンと来るものではありませんでしたし、新日を再び観るようになった頃はもう橋本は退団するあたり…。なので俺の記憶に残っている橋本はZERO-ONEと、長州さんとのシングル(藤波さんの例のアレ)、三冠奪取、んでもってNOAHとの対抗戦くらいなもんです。正直好きなタイプのレスラーではなかったですし、試合内容もそれほど感銘を受けることはありませんでした。だからこうして「亡くなった」という報道を聞いても、最初は「一プロレスファンとしてショック」という程度でしかなかったんですよ。
 でもね、帰りの電車に揺られながら橋本の試合を思い返してみると、やっぱりスゲェ奴だったんだなって思うんですよ。技術云々じゃなくて存在感というか説得力というか…少なくとも橋本真也にしか出せない「色」を持っていたと思いますし、それがこの世から失われたんだ、と考えると無性に悲しくなってきました。好き嫌いといったものを越えた喪失感というか…。
 ある人が言っていました。「今まで馬場のプロレスを馬鹿にしていた連中が、死んだ途端に急にファン面し始めたのがガマンできない」と。確かに言いたいことはわかります。でもね、死んでしまって改めて見つめなおして、そこに良さが見出せるとしたら、それもまたその人の良さなんです。だから格別ファンでもなかった俺や他の人達が、死んではじめて橋本真也の良さに気づくことができたのなら、橋本真也ファンの方々はただ腹を立てるのではなく、「自分達が応援してきた橋本真也はやっぱり偉大だったんだ」と誇りに思うべきなんじゃないでしょうか。…でも自分に当てはめて考えてみると、とてもじゃないですが正気でいられるとは思えません…。ご本人のみならず、ご家族やファンの方々にも深くお悔やみ申し上げます。
 これから毎年7・11は「爆勝宣言」かけまくります。近所迷惑なんて知ったこっちゃないっす。さらば橋本真也…。
追記:爺ちゃんが橋本のこと知ってたようで(鉢巻巻いてる人だよな、と言ってました)ちょっぴり嬉しかったです。よかったね破壊王、あんたの勇姿はプロレスファンを越えて色んな人達に届いてたよ…。