凹んでふて寝で謹賀新年

 昨日は男祭りをメインにK-1とチャンネルを切り替えつつ観戦。美濃輪勝利を皮切りに順調に試合は進む。ボビーが勝ったのは実に痛快だった。アビディうざいし。で、俺的メインカードがやってきたわけですが…。
 近藤対ダンヘン。お祭りムードの漂う大晦日のカードにしてはとてつもなくシュートな組み合わせ。ダンヘンとニンジャとショーグンの三人を提示したPRIDE側も凄いが、ダンヘンをサクッと選んだ近藤もまた凄かった。一番強い相手を選んでそれにタチムカウ…PRIDEでは前回敗北しているだけに、多少イージーな相手であっても勝ちに行くというのがある意味賢い選択であった。特に大晦日の格闘技イベントは世間へのアピール度が高い。ここで勝利すれば例え相手がどんなにカスであったとしても世間的には「大晦日に勝利した男」としてそれなりにインパクトが残せるのである。だが近藤はイージーな勝利よりも自分を磨くための強敵との戦いを選んだ。そして試合ではその強敵すらも上回るだけのものを見せたと思う。1ラウンド目の後半と3ラウンド目の前半(フジのクソ野郎はどういうわけか2ラウンド目を飛ばしやがった)はスタンド、グラウンド共に近藤がダンヘンを圧倒していた。スタンドでのパンチで何度もダンヘンをぐらつかせたし(立ち技では終始近藤が圧倒していたように見えた)、グラウンドでは下になるシーンも多かったものの、うまく切り返して上から攻める展開に持っていったこともあった。実況がいうには2ラウンド目も近藤が押していたようだった。終盤疲れが出たのかグラウンドで攻められていたが、それまでの攻防では近藤がポイントを取っているように見られたので、試合終了の時点で「判定勝ちか、まあ仕方ないね」と思っていたのだった。しかし実際には2−1で判定負け。どういうポイント採点をしたのかはわからない。2ラウンド目にダンヘンが押すシーンが多かったのかもしれないし、終盤でのグラウンドを評価したのかもしれない。しかしそれと同等以上の攻めを近藤も展開した(少なくともTVからはそれが伝わってきたと思う)はずであり、それを踏まえると近藤の勝利、ないしはドローという判定でよかったのではないだろうか?日本人ミドル級で最強の座に最も近い男のベストを尽くした闘いをこんな形で「敗戦」で片付けてしまうのはあまりに勿体無い。字面で見たら善戦したもののヘタレファイトだった瀧本の方が近藤よりも価値がデカイように感じられてしまうし、鮮やかなKO勝利で大晦日に結果を残した五味を「近藤よっかつええんでねぇの?」なんて勘違いする輩も多いかもしれないじゃないか。まあ五味は確かに強いし、あの試合はかなりポイント高いとは思うけど。
 唯一の希望としては、近藤有己という男が、負けるたびに強くなる男であるということである。ティト・オーティズジョシュ・バーネット、そしてヴァンダレイ・シウバ…その時点での最高レベルの強敵と戦い、敗れた後、自分に足りなかったものを見つけて一回りも二回りも強くなる…そんな近藤有己を俺は何度も見てきた。常に進化、あるいは深化しつづけて、「60歳頃には達人になっていると思う」なんてすごいことを言ってくれるこの男は向上心のカタマリであり、しかもそれを楽しんでやっているところがまた素晴らしい。よく彼を侍だという人がいるが、武士道という概念に自らを縛り付けている昨今の「侍」と呼ばれている人達を「侍をやっている」と表現するなら、彼は「素で侍である」と言えるかもしれない。「自然体の侍」近藤有己。彼が今年さらに大きく成長することを俺達ファンは確信しているし、また彼自身もそのつもりであろう。今年のPRIDEミドル級GPが楽しみだ。…出さないなんて言うなよDSE


追記:なんてことをグルグル考えていたらそれ以上番組なんて見てられないわけで…とっとと寝ちゃいました。気がついたら新年。あけましておめでとう。